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「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」(その2) 

この記事は前の記事からの続きです。

米国経済の長期停滞の可能性~グローバル化した経済では、輸出増で不況から脱却することができない

(この本は、サブプライム問題が深刻化する前に出版されているが、問題をよく予見していると思います)。

世界の消費を牽引してきた米国経済が停滞する懸念が出てきた。経済システムが一国経済からグローバル経済に移行したために超長期化した好景気の後、経済停滞はどれくらい長く深いものになるだろうか。

米国では71年から97年までは、GDPに占める個人消費の割合は71.3%を中心にプラス・マイナス1.3%の間で、個人消費支出の対GDP弾性値はほぼ1.0で推移してきた。ところが、97年第3四半期からはその弾性値が恒常的に1.0を超えるようになり、2005年には弾性値は1,27、そして個人消費支出のGDP構成比率は76.6%にまで上昇していた。

可処分所得の伸びは、概ね実質GDP成長率に等しいので、可処分所得の伸びを上回って消費支出が伸びてきたことになる。当然貯蓄率は低下し、97年第3四半期に3.4%だった貯蓄率は2006年第3四半期には△1.2%にまで低下した。

さて、問題は個人消費を支えてきた住宅価格がどこまで低下するかである。これは米国への資金(集中)流入がどこまで続くかにもよる。IMFによれば先進国の住宅価格クラシュは価格3割減で4年間続くという。

70年代から07年の間、米国の住宅価格の傾向性からの乖離率と米国個人部門の対GDP比はほぼ連関して動いており、それにあてはめると、住宅価格が1割減少すると個人部門GDP比は74.7~73.9%、2割減では73~72.2%、3割減では71%~70.4%と推定される(ちなみに2006年第3四半期は75.9%である)。

そして過去3回の米国経済が低迷時の個人部門対GDP弾性値はそれぞれ、△1.4、0.2、0.7だった。

仮に、2010年までに住宅価格が3割減となり個人部門GDP比率が70.4%になるとき、対GDP弾性値を0.2と置くと、GDP成長率年率2.4%、個人消費成長率年率0.5%しか組み合わせはあり得ない。個人消費の対GDP比率が低下傾向にあるとき企業部門のGDP弾性値は2.3なのでこれを利用し、政府支出は低下傾向にあるので横ばいと仮定すると、輸出が年率17%伸びる必要がある。

過去米国の輸出は年率10%を上回ったことはなく、米国輸出の世界貿易浸透度が低下している現在(浸透度は01年第2四半期14.7%に対し、06年同期は10.3%)、輸出で個人消費低下を補うことは困難である。

住宅価格3割減の場合にGDP成長率をプラスにするには、弾性値をどう置いても輸出増が二桁以上である必要がある。残された選択肢は弾性値が正で、GDP成長率も個人消費伸び率もマイナスである場合である。すなわち、住宅価格が3割も低下するとソフトランディングシナリオはあり得ないということである。

住宅価格低下が2010年までに1割の場合は、GDP成長率が年平均1.0%前後で、輸出増加率も年一桁で条件を満たす(個人消費GDP比率が4年後に73.9%)。この場合ソフトランディングが可能になるが、米経済成長率が年率1%前後となると、現在成長率5%で推移している世界経済成長率も影響を受ける。

01年以降、米国を除く世界の成長率は米実質成長率と連動性が高くなり(それ以前は明確な連関性なし)、米成長率が1%低下すると残りの経済成長率は0.9%減速するようになった。すなわち、現在3%成長の米国経済が1%成長となると、世界成長率も3%台にスローダウンすると考えられる。

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