スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

The Chase 

The Chase (Fox and O'Hare)
Janet Evanovich Goldberg Lee
0345543084

スポンサーサイト

The Heist 

The Heist: A Novel (Fox and O'Hare)
Janet Evanovich Goldberg Lee
034554305X

風の中のマリア 

風の中のマリア (講談社文庫)
百田 尚樹

4062769212
講談社 2011-07-15
売り上げランキング : 246

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

オオスズメバチの物語です。「ウォーターシップダウンのうさぎたち」のオオスズメバチ版ですが、ウォーターシップダウンより生物学的な情報が細やかに描かれていて、シートン昆虫記とのあいのこという感じでしょうか。

主人公のマリアは働き蜂の一匹。働き蜂は最高でも30日程度しか寿命がなく、特にハンターは常に危険と隣り合わせのため狩りに出たまま帰ってこない姉妹も数多くいるが、どんどん生まれてくる妹たちがその空きを埋めていきます。

女王蜂アストリッドが築いた帝国が永遠に続くものと信じて、次々と生まれてくる妹たちのためにひたすら狩りに邁進します。外で出会った他の昆虫から、ほとんどの種は異性との出会いと自らの子孫を残すことが最大の目的なのに、恋も求めず姉妹を育てるだけでなぜ満足できるのかときかれて、とまどうマリア。でもこれには生物学的に遺伝的に実は理由があるということも次第に明かされていきます。

初秋に生まれたマリアが人生の終盤を迎えるころ、帝国に変化が訪れます。夏に生まれた姉たちが知る由もなかった帝国の運命を知ることになるのです。


物語としても面白いし、いろいろな種類のスズメバチやミツバチの生態もよくわかって興味深い。ただ、狩る側も狩られる側も擬人化されているので、狩りとその後処理の描写がちょっと私にはきつかった。でも設定が変わっていてなかなか面白い物語です。

同じ作者の作品:海賊とよばれた男

Born on a Blue Day (邦題「ぼくには数字が風景に見える」) 

サバン症候群の英国青年Daniel Tammetの自叙伝です。

前半は、幼い彼が、常人には何でもない生活の基本動作に苦労し、周囲にもなじめず、struggleする姿が描かれます。しかし前半も決して暗くはない。そして成長するにつれ、彼が自分の特殊能力を伸ばしていくのみならず、不得意なことを克服していく過程で自信を深め、人間として大きく成長していく過程が描かれます。読み終えて、前向きで清々しい気持ちになる本です。


サバン症候群は映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じた役により、一般にも広く知られるようになりました。"savant"とは仏語で「賢人」を意味し、サバン症候群とは、Wikipediaによれば知的障害や自閉性障害のある者のうち、ごく特定の分野に限って、常人には及びもつかない能力を発揮する者の症状を指します。

特殊な能力とは、たとえば、一瞬で特定の日の曜日を言えるカレンダー計算、並外れた暗算能力や暗記力、高い芸術性などの例があります(人によって異なる)。一方で、対人関係が極端に苦手だったり、日常生活に支障を来すほど生活の基本的能力に欠ける場合もあるようです。

本書が感動を与えるのは、著者のサバン症による特殊能力のすばらしさに加え、サバン症であるが故の困難(対人関係や生活基本動作を苦手とすること等)を一歩一歩乗り越えていく過程です。

まず、彼の特殊能力の主要なものは、数字や文字をイメージ(色・形)で捉える能力(synaethsesia)による、卓越した暗算能力、暗記力(パイの22,514桁と記録更新)、言語学習能力です。

数字も文字もイメージで浮かぶという。たとえば9,999ぐらいまでだったら、数字を見ただけで素数かどうかがわかる。素数は"pebble like"(小石のような)特徴を持っているからだそうです。数字も、一つ一つに特徴がある。0は輝かしい、6は小さい粒々、9は背が高いなど。暗算をするときは、こうしたイメージが頭の中ですーっと動いてパッと答えが出るとのこと。パイの暗記も、複数桁をブロックで覚えていくと、そのブロックを構成する数がつながって、風景のようになる(邦題はこれから来ています)。

曜日も色を持っていて、彼は水曜日に生まれたから原題が"Born on a Blue Day"となっている。邦題も原題も詩的で美しい題ですね。彼はカレンダー計算能力も優れているので、特定の日付を聞くと(それが何年過去でも何年先でも)曜日がわかって色が浮かぶそうです。

こうした特殊能力にも感動しますが、もっと感動するのは彼が苦手なことを克服していく過程です。人との交流ができない(そもそも対話という概念が理解できない)、歯を磨いたり靴を履いたりという日常の動作ができない(小学生中学年になっても父親が毎日靴をはかせ、紐を結んであげないといけなかった)。それでも、両親の辛抱強い支えのおかげで、少しずつ苦手なことを克服していく。

驚くべきは高校を卒業して、いきなりリトアニアにボランティアとして1年住み、地元の人に英語を教えることに自ら挑戦したことです。このボランティア募集も自分で見つけてきて面接を受け、無事合格します。それまでの彼のゆっくりした成長を追ってきた読者としては、このいきなりのジャンプに唖然とする。日常生活に未だ両親の世話を要し、高校への往復にバスを使うことさえ大変だった彼にとって、さすがにこれは突然バーが高すぎるのではないかと。当然両親も不安に思う。

でも彼はこれをやり遂げます。一人で自炊して暮らし、クラスを持ち、しかも地元で知人・友人を作る。この生活で彼の能力は大きく伸び、自信もつけます。この後の彼の成長は目覚ましい。さまざまな言語を学び、パイの暗唱で記録を更新、自分がゲイであることを自覚し、両親にも告白(両親はサポーティブに受けとめます)、そして愛するパートナーを見つけ、彼とともにWebによる外国語学習の企業を起ち上げる。

さらに、パイの暗唱でメディアからも注目を集め、アメリカのテレビ局の招聘によりアメリカ内を移動しながらのドキュメンタリー撮影も行うのです。レインマンのように、特定の時刻にきまった食事をするなどの固定スケジュールが崩れると猛烈な不安に襲われる彼にとっては、アメリカ国内を移動して回ること自体大変なチャレンジ。あまりのつらさにホテルからパートナーに電話して泣きじゃくったりします。それでも最後までやり遂げるのです。

彼が、専門家も驚くほとサバン症候群の人としては卓越した対人能力を得ることになった背景には、家庭環境もあるのかもしれません。驚くことに彼の両親は、長男の彼が特殊な障害を持っていることに気付いていたけれど、結局彼を含めて9人の子供を持ちます(うち彼と弟の一人がサバン)。父親も母親も貧しい家庭に育ち、高等教育も受けておらず、結婚してもずっと貧しい生活が続きます。途中で父親がストレス過剰のためか精神病院に入院してしまったりもします。

でもこうした大変な家庭環境でも、両親はダニエルの毎日の生活を最大限支え、彼の興味がありそうな本やおもちゃを中古店で買って与えるとともに、話すときは相手の目を見るといったことを辛抱強く教え、兄弟姉妹たちにダニエルと一緒に遊ぶように促します。彼自身が書いているように、こうした大家族で育ったということは対人能力を伸ばすのに役立った可能性が高い。

また両親がサポーティブだったとはいえ、これだけの大家族で貧しいとくれば、常に手取り足取り面倒を見る訳にもいかない。それがかえってよかった可能性もあるのではないかと私は思いました。「苦手」なことは誰でもあるけれど、訓練や慣れである程度克服できるものが多い。サバンの人は「苦手」度が極端だが、決して訓練で克服できないものではないのかもしれない。

これが、彼と、レインマンのモデルにもなった米人のキム・パークの差なかもしれないと思いました。米国でのドキュンメンタリー撮影の一貫で彼は、キム・パークとその父親と会う機会を得ます。キムの特殊能力は突出している一方、会話能力や日常生活はダニエルには及ばない。中年になっても父親がフルタイムで面倒を見ている。キムはそもそもまだサバン症について理解が進んでいなかった1951年に生まれたので、大変な偏見にあったが父親はキムの能力を信じ伸ばします。そういう意味でキムの父親も本当に素晴らしいのです。でも、もしかしたらダニエルのように早くから親離れしていたら、キムの苦手な部分の能力もさらに伸びたかもしれない。そんなことを感じました。

とにかく、この本を読むと人間の能力の不思議さ、すばらしさに打たれます。なによりも、ダニエルの前向きな姿勢が読者に元気を与えます。彼の、透明ともいえるすばらしい心境が伝わる見事な文章でこの本は終わります。お勧めの本です。




朗読CDはこちら。
photo
Born on a Blue Day: Inside the Extraordinary Mind of an Autistic Savant
Simon Vance
Tantor Media Inc 2007-02

by G-Tools , 2008/06/28




photo
ぼくには数字が風景に見える
古屋 美登里
講談社 2007-06-13

by G-Tools , 2008/06/28

チェブラーシカ 

久しぶりの更新です。

最近、読書力が落ちているのでなかなか更新できません。疲れがたまってくると本を読む気にならず、コメディや癒されるドラマや映画がみたくなります。

という訳で、本の紹介はちょっと休んで、癒されるDVDを紹介します。

何年か前に日本でもちょっと話題になったので知っている方も多いかもしれません。ロシアの人形アニメーション(?)チェブラーシカです。DVDには3エピソードとおまけの1エピソードが収録されていました。

チェブラーシカは小熊のような子猿のような正体不明の小動物。オレンジ園でオンレジを食べているうちに眠ってしまって、気がついたら果物屋さんにオレンジの箱詰めとして配達されてきます。

全エピソードとも、チェブラーシカと彼の最初の友達ワニのゲーナを中心に、怪盗おばあさんや近所の子供たちや動物たちとの交流が描かれています。なんとも不思議な世界。謎の小動物とワニが主役って、いったい何をどう考えたらこんな話を思いつくのか、不思議です。

話の内容は他愛もないし、勝手に広場にドリルで穴ほって遊具を取り付けていいのか、とか、まちがって船の碇を鉄くず回収に持ってきちゃったのにそのまま話が終わっていいのか、とか突っ込みどころは満載ですが、とにかくキャラクターがかわいいのでストーリーはややどうでもいい。

チェブラーシカはもちろん、ワニのゲーナも、女の子も、女の子の拾われた子犬もかわいい。チェブラーシカは耳が大きくて、しょんぼりすると耳が前にゆっくりたおれて、目が悲しそうになってとても愛くるしい。声もちょっとハスキーな子供の声で、キャラクターにぴったりです。

かなしそうなチェブラーシカもかわいいけれど、なんといっても最初のエピソードで、「ともだちのいえ」を完成してスピーチをするチェブラーシカがなんともいえずキュートです。

「ぼくたち一生懸命つくってつくって、やっとできあがりました。ばんざーい」(Мы строили и строили, и наконец построили.  Ура!)。

この最後の「ばんざーい」は、原語で「ウラー!」なのですが、この「ウラー」(巻き舌)を、そっくりかえってせいいっぱいおなかから声を出しているチェブラーシカが、「ともだちのいえ」を完成した誇らしさを小さな体いっぱいで表現しているようで、とってもかわいいのです。

ほんわかしたいときにぜひみてみて下さい。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。